<フジサンケイレディスクラシック 最終日◇28日◇川奈ホテルゴルフコース富士コース(静岡県)◇6376ヤード・パー71>
“黄金世代ルーキー”渋野日向子が、最終日に「67」をマーク。トータル6アンダーまで伸ばし、自己最高位となる2位で平成最後の試合を終えました。
悔やまれるダブルボギー
首位と5打差の7位タイからでスタートした渋野日向子選手は、前半2バーディ、後半の16番で5っ目のバーディを奪うと、先にホールアウトした首位の申ジエ選手に1打差まで追いつきます。
しかし、続く17番パー3。ティショットが無情にもがけ下に落ち、ここをダブルボギーとしたことで、優勝が絶望的となりました。
右手前に切られたピンを警戒して、ギリギリの番手(6I)で左を狙ったショットでしたが、逆の右方向へ飛んでしまったミスショットでした。
その後「キャディさんに見るなと言われていた」スコアボードは最後まで見ずにプレーに集中。
結果18番は、残り146ヤードから7Iで打った2ndショットをピン3mにつけてバーディで締めくくりました。
17番が悔やまれますが、渋野選手は「ここまでできたのは満足」と満面の笑みでインタビューに答えていました。
昨年は主に16試合に出場したステップ・アップ・ツアーでトーナメント経験を積み、7月にプロテストに合格。
今季初戦となった「ヨコハマタイヤPRGRレディス」でいきなり6位タイと健闘。だがその後の2試合連続の予選落ちで「レギュラーの洗礼を浴びました」という渋野選手。
それでもツアー屈指の難コースで行われる「ヤマハレディース葛城」で27位タイ。「あのコースで予選通過できなのは大きかった」と、その後は連続で決勝ラウンドまで進んでいます。
また、先週の「KKT杯バンテリンレディス」では初日「81」の大たたきからの“大カムバック”で最終的には20位タイまで駆け上がるという強烈な印象も残しました。
今回、川奈でも「平成最後にいい締めくくりができました。もっと大人になって頑張りたいです」
ここまでの稼いだ賞金は1千万円。今後が期待される選手が、また一人増えました。
申ジエ選手、これからも常に前に立ちはだかっていく。
後半7バーディと国内女子ツアー史上3位タイとなる7打差をひっくり返す大逆転勝利で、今季2勝目を挙げた申ジエ選手。
優勝後の会見では、今後のツアーを支える若手選手に“メッセージ”を伝えました。
最終日の強さから、米国ツアー時代に“ファイナルラウンドクイーン”という異名で恐れられた申ジエ選手は、「スコアも気にならないくらい集中していました。アテストの時にビックリしました」
「まさか優勝できるとは思っていなかった。7打差を逆転したのは韓国でもアメリカでもありませんでした」と、自身も驚く結果となった。
首位でホールアウト後も、「試合は終わってなかったので、集中するため静かなところへ行きたかった」と気持ちを切らさず、プレーオフも視野に後続の結果を待った。そして全員がホールアウトを迎えた時、ようやく緊張をといた言う。
若手選手について「若手のカベになるという意識は強い」それは「後輩達に多様な技術を見せるのも私の役目」
今の女子ツアーを「若い選手のパワー、攻撃的なプレーが素晴らしい。レベルが高くなっている」と実感を抱いている。
「私も守りではなく、一緒に努力して、さらに上を目指したい。もっと優勝がしたいです」これからも若手の“教科書”となるべく、常に前に立ちはだかっていく。とエールを送りました。
さて、黄金世代と言われている若手選手は、この高いカベをどこまで登れるのか?また越えられる選手が出てくるのか?
令和も女子ツアーに注目です。