日本時間の8月5日、渋野日向子選手(20才)が初の海外メジャー「全英女子オープンゴルフ選手権」で見事に優勝を果たしました。

どんな時にも笑顔でプレーを続けた彼女は、海外メディアに「スマイリング・シンデレラ」と称され、英国のゴルフファンをも魅了しました。

4パットのダブルボギーから復活

最終日14アンダーと単独首位からのスタートとなった渋野選手は、前半3番で4パットのダブルボギーとスコアを落とします。

簡単に首位から脱落してしまった彼女に対し「このままプレッシャーに負けてしまうのか・・・」と誰もが思ったことでしょう。

しかし、渋野選手はギャラリーと笑顔でハイタッチするなど海外ファンを味方につけて復活します。後半はノーボギーで5っのバーディを奪い、トータル18アンダー。

最終18番は、決めれば優勝、外せばプレーオフのバーディパット。大きなプレッシャーのかかる5mのロングパットを強気で叩くと、ボールはカップに吸い込まれました。

その瞬間、手を天高く突き上げ、満面の笑みでギャラリーの大歓声に応えます。

解説の岡本綾子さんは、絶叫! 樋口久子さんは「新人類!こんな人見たことがない!」

長年にわたり海外、国内のゴルフ解説をしている戸張捷(とばりしょう)さんは「4パットを打って、メジャーに優勝した選手を初めて見た!」と渋野選手の快挙を称えました。

後に、渋野選手は「最終18番は、決めれば優勝!外せば3パットと決めてガッツと攻めた!」と勝つか負けるか?プレーオフは考えてなかったようです。

渋野選手、後半のバーディラッシュ。L サラス(米国)と一騎打ち。

サラスとコジンヨン

前半を1オーバーで13アンダーとした渋野選手は、2っ前の組 「コ ジンヨン(韓国)」14アンダー、「L サラス(米国)」15アンダーを追いかけ、後半に移ります。

□まづは10番(パー4)。10メートルある難しいフックラインを完璧に読み切りバーディー。14アンダーとしコ ジンヨンと並び、1打差で L サラスを追いかけます。

全英最終日10番のバーディ

□続く11番(パー5)。残り67ヤードの第3打目はピンそばに落とすもバックスピンが掛かりカラーまで。アプローチで寄せてパー。この時すでにL サラスとコ ジンヨンは、12番でバーディを奪い、渋野選手を引き離します。

全英最終日11番のアプローチ

□再びトップと2打差に離された渋野選手は、池越えの短い12番(パー4)で勝負に出ます。他選手がアイアンで刻む中、彼女はドライバーで1オン狙い。イーグルとはなりませんでしたが、バーディ(15アンダー)を奪い、1打差のL サラスを追いかけます。

全英最終日12番のティショット1

この12番は、TV解説者、視聴者ともに緊張が高まるティショットでした。打った瞬間「あれ!」と言う渋野選手。

ボールは池の横数十センチに落下し、あと少しでも右にふけていたら池ポチャという1ショットでした。今大会ウイニングパットに続く、最大の見せ場と言っていいでしょう。

解説者たちも大興奮で、岡本綾子さんは「あれ!じゃないよ~」と震え気味にコメント。ラウンド解説の村口 史子プロも「鳥肌が立ちました」とレジェンドたちを驚かせます。

一方、渋野選手もホットした表情かと思いきや・・・ラッキー!って感じで笑顔です

12番のティショット2

  • 13番(パー4)。第1打はフェアウェー右サイド。残り153ヤードを7Iでワンピン横につける。下りのラインを沈め連続バーディ(16アンダー)で首位タイ。同じく コ ジンヨンも13番をバーディとしているので16アンダー。共にバディーラッシュで L サラスと並びます。

ラウンド解説の村口 史子プロは「13番のグリーンは難しいと思うんですけど、簡単に決めてきますね!」と渋野選手を称賛。

  • 14番(パー3)。ティショットは、ピンの右横約5メートルにオン。バーディーパットはわずかに左に切れ、パー(16アンダーのまま首位タイ)
  • 15番(パー5)。L サラスにバーディ(17アンダー)を決められ、1打差遅れた渋野選手はドライバーをマン振り。フェアウェイの右サイドをキープ。フェアウェーウッドで2打目をグリーン前まで運び、第3打を残り約5メートルまで寄せます。解説者の緊張が走る中、ここでバディーを決め、再び L サラスを捉えます

上り3ホールの最も緊張する場面でも、お菓子を食べながらTVカメラに向かって笑顔を見せる渋野選手。ほんと!こんな選手見たことがない。新人類ですね!

  • 16番(パー4)。第1打をまたもマン振り。行方を追わないほどの完璧なショット。第2打はわずかにグリーン奥のラフに入りましたが、アプローチショットは約50センチまで寄せ、難なくパーパットを沈めます。

ここでもグリーンに向かいながらカメラに向かって手を振る余裕ぶり

  • 17番(パー3)。ティショットはグリーンをこぼれカラーへ。パターでのバーディパットを狙います。この時18番のグリーン上では、L サラスの約1.5メートルのバーディパットを迎えていましたが、惜しくも外しパー。17アンダーのままホールアウトしました。渋野選手も惜しくもバーディパットを外して17アンダーのまま最終18へ向かいます。

スコアボードは全部見てました!と余裕のプレースタイル

優勝後のインタビューで「スコアボードは全部見てました」と言っていたので自分の状況は知っていた渋野選手です。

最終18番がバーディならば優勝のティショットも完璧にフェアウェイをキープします。

村口 史子さんも「こんな緊張する場面でよく打てますね!素晴らしいショットでした」と少し興奮ぎみ。

しかし渋野選手は、ここでもカメラに向かって笑顔。

「もう今までの解説では通用しないのかなぁ」と戸張捷も困惑した様子でした。

第2打を待つ時間もキャディーと談笑したり、お菓子を食べたりと終始リラックスした状態。

最後のバーディパットが残るグリーンへ向かうまでも、大歓声のギャラリーに手を振り笑顔で答えます。

英国の人たちもビックリしたことでしょうね!

さて、この渋野日向子という選手は今後どう成長していくのでしょうか?帰国後のプレーが楽しみですね!